トンマナの意味とは?メリットやコツを活用事例3選とともに解説

「会社でSNS運用を任されたけど、トンマナの知識がなくて何から始めたらいいかわからない」

「マーケティングに効果的なトンマナの決め方や具体例を教えてほしい」

企業でSNSやWebサイトなどを活用してマーケティングを始めるときに、1番最初に考えておきたいのが「トンマナ」です。

この記事では、トンマナの意味やメリット、トンマナを決めるポイントについて解説していきます。

SNS運用やマーケティングの知識がない人でもわかりやすいように、人気企業のトンマナ活用事例もあわせて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

トンマナとは?

トンマナとは、「トーン&マナー」の略です。

企業がマーケティングを行っていくうえで、広告やSNSで使用する素材のデザインや雰囲気に統一感を持たせることをいいます。

写真や動画の世界観、文章の口調、文字のフォント、広告で使用するカラーなどを統一させることで、その企業らしさをわかりやすくアピールします。

トンマナを意識したマーケティングには、以下のような例があります。

  • 自然派の素材を使用した商品イメージをアピールするため、ナチュラルなテイストの写真やアースカラーで広告を制作する
  • 親しみやすい企業イメージを印象付けるため、SNSでは絵文字や顔文字を使用したり、カジュアルな口調を心掛ける

認知度の拡大や集客率・売上アップなどあらゆる企業目標を達成したいとき、初期段階でトンマナを合わせておくことがとても大切です。

トンマナを揃えるメリット

ここからは、トンマナをそろえるメリットについて以下の3つの項目にわけて紹介していきます。

  • 世界観が伝わりやすいのでブランディングができる
  • 覚えてもらいやすい&使いやすい
  • 作業ごとに決めることが少ないので作業効率が上がる&複数の担当者がいても一貫性が出せる

世界観が伝わりやすいのでブランディングができる

トンマナをそろえることで、広告やSNS投稿、商品の世界観が伝わりやすくブランディングができるメリットがあります。

トンマナで統一感のあるマーケティングを実施すれば、消費者のなかで企業や商品に対する印象が確立していき、「〇〇といえばあの企業の商品」と共通のイメージを浸透させることが可能です。

初期段階からトンマナを決めることでターゲットの絞り込みもしやすく、効率的かつ失敗しにくいプロモーション戦略につながります。

覚えてもらいやすい&使いやすい

トンマナをそろえることで、消費者に覚えてもらいやすく、使ってもらいやすいというメリットがあります。

商品のイメージカラーと広告で使用しているカラーが合っていなかったり、ポップな雰囲気の商品なのにSNSではビジネス的な口調だったりすると、企業のイメージにバラつきがあります。

トンマナをそろえて企業イメージに一貫性を持たせれば、複数のコンテンツ間であっても潜在的にイメージがリンクしやすく、覚えてもらいやすいのです。

また、何度も同じトンマナの商品やサービスを目にすることで消費者のなかで信頼の気持ちが生まれ、競合他社との差別化にもつながります。

覚えやすくて選びやすいという2つのイメージは安定したファンの獲得につながり、長期的に商品やサービスを選んでもらえたり、新しいPRをしても受け入れてもらいやすい効果も期待できます。

作業ごとに決めることが少ないので作業効率が上がる&複数の担当者がいても一貫性が出せる

トンマナをそろえることで、作業ごとに決める項目を削減でき、作業効率の向上や担当者が変わってもスムーズに運用できるというメリットがあります。

複数のコンテンツを活用したマーケティングを実施している企業にとって、金銭的コストだけではなく人員や時間というコストをいかに節約するかということも大切なポイントです。

トンマナが統一されていれば、「写真や動画の編集はどんなイメージにするのか」「広告に使用する配色はどうするのか」などの決定事項を減らせ、時間が節約できます。

また、複数の担当者で運営している場合でもわざわざほかの担当者にトンマナをどうするのかを相談する必要がなく、誰が作っても一貫性のあるマーケティングが可能です。

時間と人員の節約ができれば、その分ほかの業務に集中できたり、新しい企画を考える余裕が生まれます。

トンマナの事例

トンマナをそろえることで多くのメリットがあることがわかりましたが、マーケティングに成功している有名企業では、トンマナをどのように活用しているのでしょうか。

ここからは、人気企業のトンマナ活用の具体例を紹介していきます。

どのようなポイントに一貫性を持たせているのかもわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ヤマト運輸の公式サイトと公式インスタグラム

ヤマト運輸では、公式サイトやインスタグラムでトンマナをそろえることでブランディングに成功しています。

ヤマト運輸は、黄色と緑という配色、企業ロゴでもある黒猫のキャラクターの2つのトンマナを以下のポイントで一貫して使用しています。

  • 配送トラックの外装
  • 専用の段ボール
  • 公式サイトやSNSの素材
  • 営業所の看板

このように企業で扱う商品や広告のコンテンツ間でトンマナを統一させておけば、わざわざヤマト運輸の企業名を目にしなくても、「これはヤマト運輸の広告だ」と認識してもらえます。

とくに画像で伝えることがメインのインスタグラムでは、配色やキャラクターなどのビジュアル的なトンマナを統一させることで企業イメージが定着しやすい運用につなげています。

  • 2色という覚えやすい配色の組み合わせでトンマナをそろえている
  • 黒猫をクロネコヤマトという宅急便サービスのキャラクターに採用することでわかりやすいマーケティングを実施している
  • 企業が出している商品やWebコンテンツ、営業所など消費者が目にするほぼすべてのものにトンマナを反映している

公式サイト

公式インスタグラム

VOGUEのYouTubeチャンネル

ファッション雑誌のVOGUEでは、YouTubeでトンマナをそろえることでユーザーの関心を引き、ファンを獲得しています。

YouTubeでは検索結果や関連動画に、サムネイルやタイトルが表示され、その内容をもとに視聴者は見たい動画かどうかを判断します。

VOGUEは、すべての動画のサムネイルに「JAPAN VOGUE」という大きな文字を同じ配色、構成で設置しています。

サムネイルのデザインと雑誌ロゴのトンマナを統一させているので、チャンネル登録者ではないユーザーの画面に動画が表示されても、すぐにVOGUEの動画を認識してもらえます。

  • 雑誌のタイトルデザインとYouTube動画のサムネイルデザインのトンマナをそろえている
  • すべての動画で同じデザインのサムネイルにすることで、動画のブランディングにつなげている

スターバックスの公式インスタグラム(春夏秋冬)

世界中でファンが多いスターバックスの公式インスタグラムでは、写真や動画のトンマナを季節ごとにそろえることで、集客率アップに成功しています。

スターバックスのインスタグラムは、春夏秋冬の季節に合わせたカラーを写真や動画に取り入れることで商品の魅力をアピールしています。

ピンクと白で春の陽気や桜をイメージさせるようなかわいらしい配色
青と夏を連想するアイテムで、夏の日差しや海をイメージさせるような爽やかな配色
黄色をメインカラーに使用することで、秋の紅葉やパンプキンをイメージさせるような楽しさと落ち着きを兼ね備えた雰囲気を演出
赤・緑・白でクリスマスや雪をイメージさせるような冬らしい配色
  • 季節に合わせた配色を素材に取り入れることを毎年繰り返すことで、ブランディングに成功している
  • 季節を連想させるアイテムを取り入れることでスターバックスに出かけたくなる演出をしている
  • 季節にあわせたトンマナと新商品のプロモーションを組み合わせて、商品の魅力をアピールしやすくしている

トンマナを決める時のポイント

ここまで人気企業のトンマナ活用の具体例を紹介していきましたが、どのようなポイントにわけてトンマナを決めていけば良いのでしょうか。

ここからは、以下の6つの項目にわけて、トンマナを決めるときのコツについて紹介していきます。

  1. ターゲットを決める
  2. 配色(カラーは3色まで)
  3. 文章表記(文末・日本語・英語・数字・記号)
  4. フォント
  5. 余白
  6. NG表現

自社のマーケティングでトンマナをそろえることをイメージしながら、ぜひ参考にしてみてください。

ターゲットを決める

トンマナを決めるときは、ターゲットを絞り込んでおくことが大切です。

たとえば男性をターゲットとした場合、青や茶色のような落ち着いた配色にひかれやすかったり、ビジュアルで訴えるよりも論理的なデータをアピールしたほうが訴求しやすかったりします。

ターゲット層を決めたうえでトンマナを考えれば、ターゲット好みのキーワードや雰囲気、配色、口調など決めやすく、効率的なプロモーションが可能です。

以下のような項目にわけて、具体的なターゲット像を考えてみましょう。

  • 年齢層
  • 性別
  • 職業
  • 立場
  • 趣味

ターゲットを決めずにトンマナを考えると、的外れのプロモーションにつながり何度もトンマナを考えることからやり直すことになり非効率な結果が続いてしまいます。

自社の商品をどんな消費者にPRしたいのか、自社に対してどんなイメージを持ってもらいたいのかを具体的に話し合ってみましょう。

配色(カラーは3色まで)

配色のトンマナは、3色までに抑えましょう。

色の組み合わせが多すぎるとイメージがバラけてしまい、トンマナをそろえるつもりが逆に何を伝えたいのかわかりづらいという結果に陥ってしまいます。

3色以内で配色を決めることで、企業やブランドイメージが明確に伝わりやすかったり、さまざまなコンテンツを制作するうえで配色をいちから検討する手間も省けます。

以下の2つのポイントに分けて、配色を決めていきます。

  • メインカラーを1色決める
  • 文字の色やアイテムに使用するアクセントカラーを2色決める

ターゲットに訴求しやすい配色や季節に合わせた配色、企業イメージに合わせた配色を考えてみましょう。

文章表記(文末・日本語・英語・数字・記号)

ブログやWebサイト、SNSで使用する文章表記でもトンマナをそろえておくことが大切です。

以下のポイントに分けてトンマナをそろえておけば、読み手の違和感をなくし、視覚的にも読みやすい文章でアピールができます。

文末 です・ます調
だ・である調
使ってはいけない文末
日本語 ひらがな表記
カタカナ表記
ひらく漢字の種類
常用漢字以外も使用するのか
英語・数字 全角・半角
金額にはコンマを入れるのか
記号 どの記号を使用してOKなのか
どの記号を使用するのはNGなのか
絵文字や顔文字は使用するのか

文章表記は、読み手に文章やコンテンツのイメージやニュアンスを伝えるうえで非常に重要なポイントです。

カジュアルな雰囲気にしたい、論理的な雰囲気にしたいなど、どのようなターゲットに訴求するのか、どのようなイメージを持ってもらいたいのかの基準に合わせて決めていきましょう。

フォント

文章表記のトンマナが決まったら、どのようなフォントにするのか考えておくことも大切です。

フォントによって、カジュアルやポップ、ビジネス的などさまざまなイメージに変化します。

読み手が使用するデバイスによって表示されるかどうかも変わってくるため、どんな環境で読んでいても読みやすいフォントを選びましょう。

Webコンテンツや広告では、以下のフォントが読みやすくておすすめです。

  • 游ゴシック
  • 游明朝
  • Arial
  • ヒラギノ角ゴ Pro
  • 新ゴ
  • 新丸ゴ

男性ターゲットに訴求するならヒラギノ角ゴ Proや新ゴがおすすめですが、細字にすることで女性に訴求しやすい雰囲気にガラっと変わることもあります。

ターゲットや企業に対してどのようなイメージを持ってもらいたいのかをしっかりと明確にしたうえで、ぴったりのフォントを選びましょう。

余白

トンマナを決めるときは、余白をどれくらい設定するのかも考えておきましょう。

余白があることで、読み手にとって情報を整理しやすくわかりやすいメリットがあります。

また、デザイン的にも余白があることで落ち着いた雰囲気やスタイリッシュな雰囲気をアピールできます。

商品やサービスの良さを情報の充実度で感じ取りやすい男性ターゲットとビジュアル的な感覚で良さを感じ取りやすい女性ターゲットで余白の度合いを変えることが大切です。

NG表現

トンマナを決めるときは、NG表現についても考えておきましょう。

とくにSNS運用は炎上リスクがあり、使用しないキーワードや表現を業務に関わるスタッフ同士で共有しておくことが非常に大切です。

たとえば以下のような表現は炎上リスクが高いので、NG表現として設定することをおすすめします。

  • 差別的な表現
  • 過度な表現
  • 反感を受けるような言葉遣い
  • 法令違反などマナー違反につながる表現
  • 災害のタイミングなど世の中の動きに合わない表現

消費者の反感を買うような表現を使用してしまうと企業のイメージダウンにつながります。

NG表現のトンマナを明確にし、災害などその時々の状況で新しいNG表現を更新していく臨機応変な対応も必要です。

まとめ

この記事では、トンマナの意味やメリット、トンマナを決めるポイント、企業の活用事例について紹介していきました。

トンマナをそろえたうえでコンテンツを制作することで、ターゲットに効率的に訴求できたり、時間や人員的なコスト削減にもつながります。

まずはどのようなターゲットに訴求したいのかを明確にしたうえで、トンマナを決めていきましょう。

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