TwitterやInstagramなど、SNSは私達の生活の一部になりました。なかでも、YouTubeやTikTokなど動画SNSの勢いは増す一方です。
今後5Gが本格的にスタートし、一般的に浸透すれば、この流れは益々強くなると言われています。
それほどまで多くのユーザーが見ているなら、効果的な広告を出せれば集客力やブランドの価値を高めることになるでしょう。
特に今から広告を出すのであれば「動画広告」が一番勢いがあります。
ですが、こんなふうに少し戸惑っているのではないでしょうか?
「動画広告ってなんか難しそうだし、やり方がわからない…」
「動画広告ってどこに出せるの?」
「動画広告って制作費や出稿費が高いんじゃないの?」
そこで、今回は動画広告について、そのメリットと注意点、そして費用や課金の仕組みまでをご説明します。
これを読み終わった後、きっと効果的な動画広告を出稿できるようになっているでしょう。
そもそも動画広告とは?
動画広告とは、どう言ったものを指す広告なのでしょうか。
大掛かりなところで言えば、渋谷や新宿などにあるビルの電光モニターに始まり、駅に中にや街角にも電光掲示板やモニターで広告がされています。
そして身近なところではお手元のスマートフォンでアプリやニュースを読むときに表示されています。
様々ある動画広告ですが、今回は身近なユーザーに届けるための動画広告にさせていただきます。
この記事では主にWebサイトやYouTube、Facebook、Instagram、Twitterなどのインターネット上の媒体で表示される動画広告のことを解説します。
動画に興味を惹かれたり、思わずタップしてしまったり、みなさんも一度は目にしたことがあるのでないでしょうか?
そんな、身近な動画広告について説明いたします。
動画広告市場は2023年に2.7倍に!
「動画広告は勢いがある」
とは言いましたが、それは本当でしょうか?
サイバーエージェントの運営する「オンラインビデオ総研」では、動画広告の市場規模の見込み算出がされています。
「オンラインビデオ総研」によると、2018年の動画広告の市場規模は1,843億円とされています。
※引用:サイバーエージェントの運営するオンラインビデオ総研(https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=24125)
そして翌年の2019年の動画広告市場は、昨年対比141%の2,592億円であると報告されています。
2020年には3,289億円に達する見込みで、その形状から2023年には5,065億円に達する見込みです。
つまり、2018年から5年後の2023年(今から2年後)には動画広告の市場規模はおよそ2.7倍になっている見込みなのです。
動画広告のし上は、わずか5年で市場規模が2.7倍にもなると見込まれています。
動画広告のメリット
動画広告は、これからも需要が増えていくと予想されているとご理解いただけたかと思います。
だからといって闇雲に動画広告を作って出稿すればいいものではありません。
動画広告のメリットや注意点、デメリットなどについても知る必要があります。
それでは、まずは効果的な広告を作るためにメリットしっかりおさえておきましょう。
動画広告のメリットは大きく5つあります、それぞれ見ていきます。
メリット①多くの情報が伝えられる
動画広告の一番の魅力は動画であることです。動画は文字や写真だけよりも多くの情報が伝えられます。
製品の詳細や使い方、手に持った時の雰囲気なども動画では伝えやすいです。
こうして多くの情報を伝えることができ、ユーザーの印象に残すことができます。
他の広告媒体よりもより多くの情報を伝えられるのは動画広告のメリットでしょう。
メリット②適切なユーザーに見てもらえる(ターゲティング)
動画広告では出稿する際に「ターゲットユーザー」を設定することができます。
年齢や性別、住んでいる国、地域、キーワードなど様々に設定ができます。
もし、自社の製品を好んで購入する年齢層がわかっていればその年齢層にだけ集中して広告を出せるのです。
逆に、あえてターゲットを広く取ることで、隠れた顧客の発掘につながるかもしれません。
そう言った意味でも、広告でターゲットを設定できることはメリットになります。
テレビCMや街頭広告では、こうしたターゲティングができませんが、インターネットの動画広告では無駄のないスマートな広告運用ができるでしょう。
メリット③費用が安い
テレビCMや街頭に広告を掲載する時は、掲載期間中は掲載費用がかかります。
動画をYouTubeやInstagramの自社アカウントで投稿すれば無料で動画を宣伝することができます。
また、バズる(buzzの日本語英語、インターネットで一気に拡散するなどの意味)ことがあれば、それだけで大量のユーザーの流入を狙えるでしょう。
「適切なユーザーに見てもらえる」項と重複してしまいますが、ターゲット層を切り分けられるので無駄のない広告料で運用ができます。
また、動画が見られた場合のみ費用が発生するという広告プランもあるので、その点でも無駄のない広告運用が可能です。
メリット④データを分析しやすい
動画広告では分析ツールなどを用いてデータ分析が可能です。
分析ツールでは、表示回数や視聴回数、見た時間や場所、ユニーク(新規)ユーザーやその後の移動先などがわかります。
これらの情報はバナー広告などでも分析できますが、動画広告では視聴時間やどのシーンがよく見られているのかもわかります。
それにより、需要のあるシーンやユーザーが動画広告を見てどのようにアクションをしたのかがわかるようになります。
このように動画広告によってユーザーのアクション傾向を分析できるのは大きなメリットです。
こうした分析ができるようになると次回の施策に活かせるので、より効果的にPDCAが回せるようになります。
メリット⑤外人や子どもにも伝えやすい
動画広告の優れた面は、それが「動画」であることです。
動画広告を見るのは何も大人だけではありません、ターゲットを考えれば子供や海外の方に届けたいこともあるはずです。
言葉が通じない相手や文字による説明が難しい場合も、動画であれば簡単に説明することができます。
そうしたときに、音や動きで商品や製品、サービスの説明ができる動画広告は優れているといえます。
動画広告のデメリット
では次にデメリット、注意点をおさえておきましょう。
デメリットを知ることは逆にいえば、失点をおさえられるとも取れます。
広告を作る上で無駄な広告になってしま話ないように、しっかりと注意点を見ていきましょう。
デメリット①効果が出るかは動画の質による
動画広告の効果は、動画のクオリティに左右されるケースが多いです。
当然ですがクオリティが低ければ、動画広告は見られずにスキップされやすくもなります。またもしかすると会社ブランドイメージにも悪影響を与えかねません。
動画広告は情報をたくさん届けられるからこそ、良い印象を与えられるクオリティの高いものを目指さなければいけません。
しっかりと自社のブランドを載せていることを考えて制作をしましょう。
デメリット②制作時間がかかる
動画制作には時間がかかります。
自社内で制作スタッフがいる場合はまだ調整もできるかもしれませんが、普通の会社は広告代理店や動画制作会社に依頼することになるでしょう。
このときに、すでに素材や見せたいもなど動画にする材料が揃っていればまだいいのですが、何もない状態で始めるのがほとんどです。
動画広告の場合、バナー広告のように後から修正をするのも難しいです。
そのため打ち合わせも多くなってしまい、結果的に時間がかかってしまいます。
また「効果が出るかは動画の質による」項と相反するのですが、クオリティを望むとそれだけ制作時間もかかるコストも多くなります。
動画広告を作る際はそういったスケジュールも考えることが重要でしょう。
動画広告の種類
それでは次に、動画広告の種類について説明したいと思います。
動画広告は表示させる方法や場所などにより、名称がそれぞれあります。
それぞれで、どんな効果があるのか説明していきたと思います。
そのうえで、動画広告に使いたい形式を見極めてください。
- インストリーム動画広告
- インバナー(インディスプレイ)動画広告
- インリード動画広告
インストリーム動画広告
インストリーム動画広告とは、動画サイトなどで動画を開いたときにページの最初や最後、まは途中に差し込まれる動画広告のことです。
YouTubeなどで最初に出てくる広告も「インストリーム広告」です。
動画再生前はプレロール、動画の途中はミッドロール、動画終了後はポストロールと呼ばれます。
この動画広告のメリットは広告の再生数、時間、視聴完了数が稼げる点です。
動画を見てもらいやすくなるのがメリットですね。
逆にデメリットとして、途中でスキップされる可能性が高い事と、視聴者を惹きつけるクオリティが求められる事です。
特にクオリティが低い動画広告はユーザーに嫌われやすいので注意しましょう。
インバナー(インディスプレイ)動画広告
Yahoo!のトップ画面の右上の四角いバナーの広告枠と言えば伝わりますでしょうか?
あのような従来から設置されている広告バナーのスペースに動画として広告を出向するのがインバナー動画広告です。
この動画広告のメリットはWebサイトやユーザーの環境、端末にとらわれず、多くのユーザーに見てもらうチャンスがあることです。
そしてなんといっても一番のメリットは「動画サービスを利用してないユーザー」にも動画広告を見てもらえるチャンスがあることです。
普段動画サイトを普段利用しなユーザー層へアプローチできるのは、明確なメリットです。
逆にデメリットは従来のバナー広告よりもCPM(Cost Per Mille、Web広告を1,000回表示するごとに発生する広告費)が高価になりやすいことです。
インリード動画広告
インリード動画広告とは、ユーザーがWebページをスクロールしたり、アプリやSNSなどでスクロールしたときに表示再生される動画広告です。
もしかしたら、経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
よくある用語に「インフィード広告」や「インスクロール広告」があります。
それぞれに明確な定義はないのですがインリードの方が「動画フォーマット」で使われることが多いです。
インリード広告の特徴はメリットは、ユーザーの視覚に入りやすい点です。
ユーザーが見ているコンテンツ(記事)と関連性の高い動画広告を配信することができれば、有効に活用することができるでしょう。
またストーリー性を持った動画広告などと相性がよく、動画広告が画面に表示されたタイミングで動画再生がスタートがするため、すべてのユーザーに動画を最初から見せることができます。
一方でデメリットは、スクロールされないと再生されない点です。
またスクロールすることで勝手に動画が再生されてしまう点も注意が必要でしょう。
動画広告の課金形態
動画広告を出稿できる場所や種類については理解いただけたでしょうか。
では、続いては動画広告の費用、課金の形態について説明いたします。
CPM課金方式
CPMとは「Cost Per Mille(コスト・パー・マイル)」の略語です。
「マイル」とはラテン語で「1,000」を表す意味があります。
これを直訳すると「Web広告を1,000回表示するごとに発生する広告費」という意味になります。
つまりCPM課金方式とは表示回数(1000回)に応じて費用が発生する課金形態です。
バナー広告などでもこの形態をとっている広告があります。
Google広告から配信するTrueView広告の中でも、リーチを目的としたTrueViewforReachやDSP(Demand Side Platform)はCPM課金形式で広告を配信しています。
CPV課金方式
CPV(Cost Per View)とは「一回見られるごとに発生する費用」のことです。
動画広告の場合、再生回数1回ごとに課金される方式になります。
見られることが重要な動画広告では、この課金形態が多いです。
カウントされる再生回数や再生時間については出向する媒体によって変わります。
30秒視聴後に課金される場合もあれば、FacebookやInstagramなどでは10秒間視聴後に課金される方式を採用しています。
CPV課金方式を選択する場合は、課金対象となる動画広告の再生時間に気をつけましょう。
また動画の作り方、特に冒頭に何を伝えたいのかを明確にした動画広告を作成することを意識しておきましょう。
CPC課金方式
CPC(Cost Per Click)とは「一回クリック(またはタップ)されるごとに発生する費用」のことです。
従来のバナー広告やSNSで多く採用される方式と同様に、動画広告をクリックしたら課金される方式です。
認知度の向上よりも、特定のユーザー層に動画広告を届けたい場合など、明確にクリック(またはタップ)させることを想定した広告で有効でしょう。
CPCのメリットとしては視聴ではなくクリック(またはタップ)での課金であるためインプレッション(表示回数)が多くてもクリックやタップをされない限り費用は発生しません。
逆にデメリットとして競合の多い分野では出稿したい「キーワード」への広告費が高くなってしまいます。
また予想以上に効果が出てしまい、クリックペースが早くなることで、予算の上限にすぐに達してしまうことなどがあります。
CPC課金の際はそうした「キーワード」の値段や、予算の推移などの動向に注意する必要がありそうです。
まとめ
ここまで、動画広告のメリットを中心に動画広告について説明させていただきました。
動画広告は作るものや出稿するものが違うだけで、バナー広告などとあまり変わらないことがわかっていただけたのではないでしょうか?
YouTubeでは自分のチャンネルを作って動画配信を行い、その中で既存の会社とコラボ企画をしている人や、Instagramなどでも自分自身を売り込む動画を広告配信している人がいます。
Web広告はそこまで身近になってきています。
そして3年後にはもっと動画広告が増えると予測もされています。
この記事をとおして動画広告の重要性を理解していただけたら幸いです。