「会社で動画マーケティングを始めることになったけど、何から始めたら良いかわからない」
「動画マーケティングをするとどのようなメリット・デメリットがあるの?」
「動画マーケティングをして失敗したくない…」
最近はネット上でも商品やサービスをPRしている映像をよく見かけますが、なぜ多くの企業で動画を活用したマーケティングが採用されているのでしょうか。
これから動画マーケティングを始めたいと考えている場合、成功させるコツや注意点を事前に知っておくことが大切です。
そこで今回は、動画マーケティングの概要やメリット・デメリット、動画マーケティングを成功させるポイントについて解説していきます。
また、具体的な企画が思いつかないと悩んでいる方のために、実際に動画マーケティングを活用している企業の成功事例も紹介します。
最後まで読むことによってマーケティングの知識がない方でも動画マーケティングの準備がスムーズに進みやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
動画マーケティングとは?
「動画マーケティング」とは、映像を活用して商品やサービスをPRするマーケティング手法です。
映像を制作して配信するだけではなく、ターゲティングや企画、Webページの制作、エンゲージメント対応、効果分析など一連のタスクをまとめて動画マーケティングと呼びます。
具体的には以下のような活用事例があります。
- YouTube動画で商品の使い方を説明してファンの定着につなげる
- Instagramで新しいキャンペーンを訴求する動画を配信して専用ページへのアクセス数を増やす
- 公式HPでウェブセミナー動画を公開しサービスの利用を検討する企業を増やす
特に幅広いユーザーが利用しているSNSは、ターゲットユーザーに効率良く動画広告を見てもらえるプラットフォームとして人気があります。
まずは動画マーケティングの魅力や注意点を知って、自社に合った手法なのかどうかを見極めることから始めましょう。
つづいて、動画マーケティングを実施している企業がどのような魅力を感じているのかを紹介します。
動画マーケティングのメリット・効果
ここからは、動画マーケティングのメリット・効果について以下の3つの項目に分けて解説していきます。
- 伝えられる情報量が多い
- 親近感を持ってもらえる(ファンになってもらいやすい)
- エンゲージメント率が高い
どのような魅力があるのかを知ることによって目標を定めやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
メリット①伝えられる情報量が多い
動画マーケティングのメリット1つ目は、伝えられる情報量が多い点です。
画像だけでは目に見えるものから推測して情報を得るしかなく、伝えられる情報が限られます。
また、文字で多くの情報を伝えようとすると文章が長くなってしまい、強い興味があるユーザーでないと読んでもらいにくいでしょう。
一方、動画のなかには映像と声、テロップといった数種類のアピール方法を同時に利用できるため、短時間でも多くの情報を伝えられます。
多くの情報を伝えられれば商品やサービスに対する理解度が深まりやすく、結果的に検討期間の短縮にもつながります。
ただし、動画を使えば必ずしもわかりやすい情報とは限りません。
映像をただ流すのではなく、ユーザーが飽きずに視聴できるテンポや構成を意識したり、理解度を高めるためにテロップを効果的に使ったりするなどの工夫が大切です。
メリット②親近感を持ってもらえる(ファンになってもらいやすい)
動画マーケティングのメリット2つ目は、親近感を持ってもらいやすい点です。
動画マーケティングが親近感を持たれやすいのには、以下のような理由があります。
- 短時間に多くの情報を伝えることによって安心感を与えられる
- 視聴者に抱いてほしいイメージに合わせた動画を制作してブランディングにつなげられる
- 視聴者の生活の一部でもある動画を活用することで抵抗感なく見てもらいやすい
視聴者は普段からYouTubeや映像配信サービス、他のSNSで動画を見る生活に慣れているため、企業の広告であっても内容によっては強い関心を持ってもらえるでしょう。
特に企業の真面目なイメージを覆すような面白い内容は注目を集めやすく、視聴者間でシェアされることによってさらに親近感が高まります。
根強いファンになってもらえれば、企業の新しい広告を受け入れてもらいやすかったり、競合他社と差別化してもらえたりする効果が期待できます。
メリット③エンゲージメント率が高い
動画マーケティングのメリット3つ目は、エンゲージメント率が高い点です。
たとえばYouTubeで動画広告を配信した場合、いいねやコメント、シェアなど、動画に興味を持ったユーザーから企業に対してコミュニケーションを取ってもらうことが可能です。
動画マーケティングは親近感を持ってもらいやすかったり、情報量の多さから関心度が高まりやすかったりするため、結果的に視聴者からの反応を得られやすい手法です。
また、エンゲージメントに対して企業が反応すれば、「フレンドリーな会社」「自分のコメントに気付いてもらえて嬉しい」のように、さらにポジティブな印象を作りやすくなります。
動画マーケティングを活用してファンを増やしたい方は、視聴者とコミュニケーションを取りやすい動画を制作することを意識すると良いでしょう。
動画マーケティングのデメリット
つづいては、動画マーケティングのデメリットについて以下の2つの項目に分けて解説していきます。
- 撮影・編集の時間と機材費、リソースがかかる
- コンテンツの修正が難しい
どのようなデメリットや注意点があるのかを知っておくと動画マーケティングを実際に取り入れた際の状況を具体的にイメージしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
デメリット①撮影・編集の時間と機材費、リソースがかかる
動画マーケティングのデメリット1つ目は、撮影・編集の時間と機材費などのリソースがかかってしまう点です。
リソースとは、業務をおこなう上で必要となる人やお金など企業が持っている資産のことです。
動画マーケティングの工程には、以下のようにさまざまなタスクがあります。
- ターゲティング
- 企画を考える
- 動画の撮影・編集
- キャンペーン用Webページの制作
- エンゲージメントに対する対応
- 効果分析
SNSであれば無料で配信できることが多く比較的低コストで運営できますが、企画を考えることから効果分析をおこなうまでの人員や時間、人件費がかかります。
もしリソースを考えずに動画マーケティングを始めてしまった場合、他の業務に支障が出てしまったり、ECサイトの集客が増えすぎて現場が対応できなかったりする危険性があります。
そのため、動画マーケティングを実施する際はどのようなタスクが必要なのかを考え、人員や時間を充てられるかどうかを慎重に検討しましょう。
デメリット②コンテンツの修正が難しい
動画マーケティングのデメリット2つ目は、一度配信したコンテンツの修正が難しい点です。
コンテンツの修正が難しいのには、おもに以下のような理由があります。
- 動画制作を他社に外注することが多く自社のタイミングで修正できない
- 一度ネット上に配信したコンテンツを取り下げたり訂正したりするとイメージが悪くなる
企業からマーケティング用の動画を配信する場合、動画のクオリティが企業イメージにつながります。
あえて素人っぽさを出して戦略的に親近感を出している企業や自治体もありますが、基本的に画質や音質、編集などをストレスなく視聴できるクオリティに仕上げることが重要です。
そのため、ほとんどの企業が撮影や編集を他社に外注することが多く、自社で制作しているケースに比べて修正までの時間がかかってしまいます。
また、一度ネット上に配信されたコンテンツをすぐに削除したり何度も訂正したりしていると、「この会社信用できない…」とネガティブな印象を持たれてしまいます。
自社で制作する場合、他社に外注する場合関係なく、コンテンツ制作後は社内の複数人でチェックするなどの体制を整えておくと良いでしょう。
動画マーケティングのポイント
ここからは、動画マーケティングを成功させるポイントについて以下の3つの項目に分けて紹介していきます。
- 目的・ターゲット・ゴールを決める
- 掲載するメディアを決める
- 制作体制を整え、PDCAを回し続ける
これから動画マーケティングを始めようとしている方や動画マーケティングの効果が出ないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目的・ターゲット・ゴールを決める
動画マーケティングを成功させるためには、目的・ターゲット・ゴールを明確に決めておくことが大切です。
なぜなら、得たい効果やアピールしたいターゲット層を決めておいたほうが作業がスムーズになるだけではなく、視聴者のニーズに沿える効率的なマーケティングにつながるからです。
たとえば、新商品の売上を増やすためにターゲット層である30代の働く女性や主婦のECサイトへの集客率を上げたいという目的・ターゲット・ゴールを決めたとします。
その場合、30代の女性に響くキーワードやイメージカラーを盛り込んだり、働く女性や主婦が閲覧しやすい時間帯に投稿をしたりなど、目的やターゲットに合わせたマーケティングが可能です。
もし目的・ターゲット・ゴールを明確にせず動画マーケティングを実施した場合、思っていた効果が得られず、消費したリソース(人員・時間・コスト)が無駄になってしまうでしょう。
そのため、動画マーケティングを始める前に以下のような項目を具体的に話し合って決めておくことが大切です。
目的・ゴール |
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ターゲット |
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掲載するメディアを決める
動画マーケティングを成功させるためには、最適な掲載メディアを決めることが大切です。
なぜなら、メディアによって利用しているユーザー層や配信スタイルに差があるため、企業の目的・ターゲット・ゴールに最適なプラットフォームかどうかが異なるからです。
動画を掲載するには、おもに以下のようなメディアがあります。
YouTube |
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TikTok |
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Webサイト メルマガ |
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まずは企業の目的・ターゲット・ゴールに最適なメディアを選び、効率的な動画マーケティングをおこないましょう。
制作体制を整え、PDCAを回し続ける
動画マーケティングを成功させるためには、制作体制を整えてPDCAを回し続けることが大切です。
それぞれのステップごとに以下のような行動が必要です。
Plan (計画を立てる) |
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Do (実行する) |
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Check (評価する) |
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Action (改善する) |
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以上の流れを回し続けるには、人員や時間を調整し運用体制を整える必要があります。
続けるうちにどれくらいのスタッフが必要なのか、どれくらいの時間が必要なのかも明確になってくるため、PDCAに合わせて効率的に回せる運用体制も変えていくと良いでしょう。
動画マーケティングの成功事例
ここからは、動画マーケティングを活用している企業の成功事例を3パターン紹介していきます。
成功ポイントについてもわかりやすく解説しますので、企画が思いつかないと悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
成功事例①ワコム
株式会社ワコムは、YouTubeを使って「シン・エヴァンゲリオン劇場版」という注目度の高い映画制作に自社製品が使われていることをアピールしています。
現場で利用していた人にインタビューをしたり、実際に利用しているシーンを入れて製品の魅力をわかりやすく伝えています。
このように、自社の商品やサービスを実際に使用しているユーザーの口コミとともに動画でPRすることによって、商品や企業の信頼性というブランディングにつながります。
成功事例②北欧、暮らしの道具店
こちらは「北欧、暮らしの道具店」のVlog風の動画で、ファンの獲得につなげている成功事例です。
スタッフのルームツアー動画ではおしゃれなインテリアや生活スタイルを紹介し、登場したアイテムの購入先リンクを概要欄に掲載することによってECサイトの集客につなげています。
ただ商品をPRするのではなく、「このチャンネルの情報はインテリアの参考になる」と思ってもらえる視聴者目線の動画を配信し、結果的にチャンネル登録者数を増やしています。
成功事例③会計ソフト「freee」
会計ソフトを提供しているfreee株式会社では企業向けのウェブセミナーをYouTubeで配信し、商品の認知度を高めることに成功しています。
実際に操作画面を映し出しながら説明をすることによって、導入を検討している企業の検討期間を短縮できたり、利用している企業の理解度を深めることが可能です。
このように企業担当者が出演して説明をすると、視聴者から信頼度の高い情報として認識されやすくなるでしょう。
- ソフトの使い方を極めたいユーザーにターゲットを絞った動画を配信している
- 操作画面を出しながら説明することによって視聴者のニーズを満たしている
まとめ
この記事では、動画マーケティングの概要やメリット・デメリット、成功させるポイント、成功事例について解説していきました。
動画マーケティングは短い時間で伝えたい情報をアピールでき、かつ視聴者に親近感を持たれやすい手法です。
まずは動画マーケティングの目的やターゲットを明確にしたうえで、自社のリソースに負担がかかりすぎない運用方法を考えることが大切です。
さまざまな企業の手法を参考にしながら、自社にとって最適なスタイルを見つけていきましょう。