ステマは違法?事例を元にステマを行ってはいけない理由を解説!

「ステマって違法なの?」
「ステマにはどんな手口があるの?」

ステマはこれまでさまざまな会社によって行われ、そのたびに大きく批判されてきました。

ステマに違法性があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事ではYouTuber事務所である弊社OTONARIの立場からステマについて詳しく解説していきます。

ステマとは?

ステマ(ステルスマーケティング)とは、簡単に言うと消費者に宣伝であることを隠して宣伝するマーケティング方法です。

アンダーカバーマーケティング(Undercover marketing)と呼ばれることもあります。

ステマは発覚するたびに炎上が起こるため、みなさんの記憶に残っているものも多いと思います。

たとえば、2020年には”アナと雪の女王2“の映画の宣伝としてステマが使われ、大きな批判を受けました。

ステマは違法?

結論から言うと、日本ではステマは法律的にはグレーゾーンで、明確には違法とは言えません

日本にはステマを直接取り締まるような法律がないからです。

しかし、場合によって景品表示法や軽犯罪法に抵触する可能性があります。

まず、景品表示法には以下のような条項があります。

第五条
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

一、商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

出典:景品表示法

ステマは場合によっては、「実際のものよりも著しく優良である」と消費者を誤解させるような表示が行われる場合があるため、景品表示法に抵触する可能性があるのです。

また、軽犯罪法には以下のような条項があります。

第一条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

(中略)

三十四
公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者

出典:軽犯罪法

たとえば、実際には購入してないのに、好意的な体験談を掲載する行為は「人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした」と判断されて罪に問われる可能性があります。

このように、ステマはグレーゾーンな広告手法と言えます。

ただし、下でも説明しているとおり、たとえ罪に問われるものでないとしても、ステマは企業や影響力を持つ人物としてのモラルが問われますし、発覚した時のリスクが大きすぎるので行うべきではありません。

ちなみに、ステマはアメリカやヨーロッパなどでは明確に犯罪行為とされています。

ステマの種類

ステマには以下の2種類があります。

それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。

種類①:なりすまし型

なりすまし型は業者が一般の消費者になりすまし、その商品やサービスに対して好意的な口コミを書くタイプのものです。

現在のマーケティングでは消費者の口コミが重視されます。

そこにつけこんで、Amazon、食べログなど口コミサイトにステマを投稿し、その商品やサービスが優れたものであるかのように誤認させるのです。

最近は、Amazonに出品している中華系の家電製品のステマが横行しており、目立った対策をしていないAmazonが避難されることもよくあります。

一方、競合の商品やサービスに悪い口コミを投稿することで競合の評判を落とすステマが行われることもあります。

種類②:利益提供秘匿型

利益提供秘匿型では、商品やサービスを提供する企業が芸能人、インフルエンサーなど影響力がある人に報酬を渡して宣伝を依頼します。

そして、SNSやブログなどに広告であることを隠してあたかも日頃から愛用しているような投稿を行うのです。

なお、たとえ無報酬であっても、広告であることを隠して宣伝していた場合はステマと言えます。

ステマの(決定的な)3つのデメリット

ステマには発覚した時に以下のような決定的なデメリットがあります。

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

デメリット①:炎上で企業ブランドが大きく損なわれる

ステマの最大のデメリットは炎上により企業ブランドが大きく損なわれる点です。

ステマは消費者から見れば騙されたような気持ちになり、モラルがない行為とされます。

そのため、ステマが発覚した場合には炎上が起こることが多く、炎上により企業の悪評が広く浸透します。

場合によっては不買運動すら起こることがあります。

そして、一度損なわれた企業ブランドを回復させるのは大きな労力がかかるため、ステマはあまりにも割に合わないのです。

デメリット②:電話が殺到し対応に大きなコストが必要になる

ステマが発覚すると、企業に抗議の電話が殺到します。

そして、この電話対応に大きなコストが必要になるため、企業の生産性が大きく低下することになります。

特にサポートセンターなどを設置している会社の場合は、サポートセンターに来る電話がステマに関するクレームばかりになります。

そして、ステマの発覚に対応するためにさまざまな対策を講じる必要があります。

そのため、ステマが発覚すると企業は火消しに大きなリソースを割かなければならないのです。

デメリット③:プロモーションを行うたびにステマをぶり返される

ステマが発覚すると、プロモーションを行うたびにステマをぶり返されることになります。

企業がステマではない宣伝を行った場合も、その企業が前に行ったステマを思い出し、否定的な反応を示すユーザーが多く現れるのです。

そのため、ステマが行われてからしばらくの間はいかに良い広告を出しても、逆効果になって商品やサービスの売上が低下する場合があります。

特にSNSではネガティブな情報が爆発的に拡散される可能性があるので、広告を打つたびに企業に対する悪いイメージが定着してしまいます。

なぜステマが跡を絶たないのか

ステマには以上のような、割に合わないデメリットがあります。

しかし、ステマを行う企業は跡を絶たたず、ステマは定期的に発覚して炎上します。

このように、ステマが跡を絶たない理由には主に以下の3つがあります。

それぞれの理由について詳しく見てきましょう。

理由①:低コストで実施できるから

ステマは低コストで実施することができます。

特に消費者になりすまして口コミを書き込む場合、社員に口コミを書き込んでもらえば良いので、極めて低コストで実施することができてしまいます。

社員には給料を払っているため、コストは0ではないのですが、人件費以外にかかる費用はないので、手軽に行えてしまうのです。

一方、芸能人などに依頼する場合は数十万から数百万円の依頼料金が必要になるので、そこまで低予算で実施できるわけではありません。

理由②:効果的な宣伝ができるから

ステマが後をたたない理由として、「効果的な宣伝ができるから」というものも挙げられます。

先ほど説明したとおりステマは、バレた時には企業ブランドが大きく損なわれます。

しかし、バレなかった場合には効果的な宣伝になります。

なぜなら、私達が商品を買う時に一番重視するのは口コミだからです。

たとえば、あなたの憧れの芸能人が愛用している商品をおすすめだと紹介していたら、あなたも使ってみたいと考えるのではないでしょうか。

そのため、ステマは成功したら効果的な宣伝になり、売上に大きく貢献する可能性が高いと言えます。

理由③:バレない可能性もあるから

結局のところ、圧倒的なデメリットがあるのにも関わらずステマがなくならない理由は「バレない可能性もあるから」です。

そして、上記のように、バレなければステマは効果的な宣伝になります。

そのため、「どうせバレない」と考えてステマを行う企業がいるのです。

ただし、繰り返し述べている通り、ステマは発覚した時の悪影響があまりにも大きく、割に合うものではありません。

実際に行われたステマの事例

実際に行われ、問題になったステマの事例には以下のような主のが挙げられます。

それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

事例①:アナ雪2ステマ騒動

アナ雪2ステマ騒動ではディズニー映画”アナと雪の女王2″のPRを巡ってステマが行われました。

具体的には、アナと雪の女王2の制作元であるウォルト・ディズニーが広告代理店の電通、キャスティング業者wwwaapを通じて漫画家7人にアナ雪2のPR投稿を依頼しました。

しかし、その投稿には「PR」だということが表記されていなかったのです。


↑実際のPR投稿

このようなPR投稿がほぼ同時刻に、なおかつ「#アナ雪2と未知の旅へ」「#アナと雪の女王2」という同様のハッシュタグをつけて投稿されました。

これを不自然だと感じたユーザーからの指摘により、実は金銭報酬を受け取って投稿したステマであることが発覚したのです。

このステマは大きく話題になり、漫画を投稿した7人の漫画家はTwitterに謝罪文を掲載しました。

事例②:食べログ事件

食べログでは、2012年、飲食店に好意的な投稿を行い、その代わりに金銭を受け取る業者が発見されただけでも39社いることが明らかになりました。

食べログは国内にある飲食店をほぼ網羅する国内最大級の飲食系グルメサイトで、食べログでの評価は飲食店に大きな影響を与えます。

そのため、食べログでの評価を上げたい飲食店を勧誘するステマ会社が生まれるに至ったのです。

これは食べログ自体の評価の信頼性も揺らがしかねない事件だったため、食べログを運営するカカクコムはステマによる評価の操作を防ぐため、対策を行う結果となりました。

具体的には、レビューを投稿する時には携帯電話認証を行うようにし、さらに点数評価をステマの影響が小さくなるように大幅に変更しました。

事例③:ペニーオークション事件

ペニーオークション事件は基本的には詐欺事件なのですが、ステマが用いられたことも話題になりました。

この事件を起こした会社が運営していたサービス、ワールドオークションは入札する時に手数料が発生する仕組みのペニーオークションという種類のオークションサイトでした。

しかし、そもそもワールドオークションでは最高額での入札が行われると会社が用意したボットが自動的に入札して金額を釣り上げ、1000万円にならない限り落札できない仕組みになっていました。

このワールドオークションについて、運営会社は複数の芸能人に「高額商品を格安で落札した」という内容をブログで投稿するように依頼していました。

これにPR表記がなかったため、ステマとしても話題になりました。

この事件に関わった芸能人の一部は特定されて謝罪を行っています。

また、ワールドオークションの運営者は詐欺罪などで有罪判決を受けています。

ステマにならないように注意すべきこと

ここまでの内容を読んで、「どこからがステマなのか」と不安に思っている方もいると思います。

そんな時にはWOWJガイドライン」を参照するのがおすすめです。

WOWJガイドラインではどこからがステマにあたるか具体的に説明しています。

このガイドラインに書かれている内容を簡潔にまとめると、「広告である時には、『PR』など広告である旨を表記する」ようにすればステマにはならないとしています。

ステマのまとめ

ステマは消費者に宣伝であることを隠して宣伝を行う方法です。

日本ではステマは法律的にはグレーゾーンです。

ステマには以下の2つの種類があります。

ステマには以下のようなデメリットがあります。

しかし、度々炎上してもステマが後をたたない理由は以下の3つです。

ステマは芸能人など影響力がある人を起用して行われることが多いです。

実際に行われたステマの事例としては以下のようなものが挙げられます。

意図せずステマにならないようにするためには、WOWJガイドラインを遵守するのが重要です。

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OTONARIは、600名以上のインスタグラマーが提携する成果報酬型サービスや大人向けのYouTuber事務所を展開しています。

また、自社で運用するインスタグラムアカウントは開設1年で合計50万人以上のフォロワーを獲得しました(「節約ライフ」「大人女子コスメ」)。

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