写真で伝えるSNSとして人気が高いインスタグラムは、消費者にとって情報収集のツールとして重要なポジションにあり、集客率アップを目的とする企業から注目を集めています。
この記事では、集客目的でインスタグラムを活用するメリットや集客につながるインスタグラムの運用方法を解説していきます。
SNSにくわしくない人でもわかりやすいように、集客に成功した企業の活用事例もあわせて紹介していきますので、以下のような課題がある企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
「インスタグラムの運用を任されたけど、何からはじめたらいいかわからない」
「集客につながる運用方法のコツをわかりやすく教えてほしい」
なぜインスタグラムが集客に最適なの?
TwitterやFacebookなど数あるSNSのなかでも、インスタグラムをマーケティングに活用している企業が多いのはなぜなのでしょうか。
ここからは、インスタグラムが集客に最適な理由を以下の3つのポイントにわけて説明していきます。
- 利用ユーザーが多いから
- 写真を使って魅力を伝えやすいから
- 費用をかけなくても集客できるメディアだから
理由①利用ユーザーが多いから
日本人の4人に1人はインスタグラムを利用しているといわれているほど、インスタグラムは利用ユーザーの多いSNSです(2019年時点で国内ユーザー3,300万人)。
登録者数は年々増加し続けており、20~30代のユーザーだけではなく、スマートフォンを持つことが当たり前となってきた50代以上の年齢層でも、インスタグラムを楽しむユーザーが増えてきました。
男性利用者も全体の40%以上いるので、男女関係なく利用されているSNSと言えます。
利用しているユーザーが多いということは、企業が発信した情報をたくさんの消費者に見てもらえる可能性が高く、運用方法によっては集客に大きな影響をあたえることができます。
また、ユーザー同士で写真や動画を気軽に共有しあえる環境のインスタグラムでは、飲食店で撮った写真や購入した商品の写真などをコメントと一緒に投稿するユーザーが多く、購買意欲を左右する口コミ情報が集まるツールであることも利用ユーザーが多い理由のひとつです。
理由②写真を使って魅力を伝えやすいから
写真で伝えることが得意なインスタグラムでは、1つの投稿で複数の写真を投稿できます。
店舗で商品を手にとっただけでは伝わりづらい商品のこだわりポイントや特徴などを、まるでカタログを見ているかのようにわかりやすく具体的にアピールできます。
また、インスタグラムには写真に商品タグをつけることによって、簡単に購入サイトへ移動できる機能がついています。
魅力的な写真で商品の良さを知ってもらったあとは、スムーズに購入までのプロセスに進んでもらうことも可能なので、ECサイトへの集客効果も期待できます。
実店舗を持つ飲食店などの企業アカウントでは、視覚的に食欲を刺激するようなメニューの写真を載せたり、店内の雰囲気を写真で発信することで、お店の魅力がダイレクトに伝わり、結果的に集客につながります。
理由③費用をかけなくても集客できるメディアだから
インスタグラムには、コストをかけなくても十分に高パフォーマンスなマーケティングを続けられるコンテンツがそろっています。
たとえば、ビジネスアカウントに切り替えることで、以下のような機能がアプリ上で無料利用できます。
- アカウントページから店舗の地図を確認
- アカウントページから電話をかけられる
- アカウントページから予約を受け付ける
インフルエンサーにPRを依頼したり、インスタグラム内で広告を出稿するとコストは発生しますが、低コストでさまざまなマーケティング方法に挑戦したい企業にはおすすめのSNSです。
インスタグラムで集客できた成功事例
ここまでは、インスタグラムが集客を目的としたマーケティングに最適な理由を説明してきましたが、すでにインスタグラムマーケティングをはじめている企業は、どのような方法で運用をしているのでしょうか。
ここからは、店舗やECサイトへの集客率アップを実現させている企業の成功事例を紹介していきます。
自社の商品やサービスをインスタグラムで紹介するイメージをふくらませながら、どんな活用方法が合っているのか参考にしてみてください。
事例①スシロー
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寿司チェーンのスシローでは、ユーザー参加型キャンペーンを行うことで集客率アップに成功しています。
「#すしで笑おう」のハッシュタグをつけてスシロー来店時の写真や動画を投稿すると、抽選でお食事券が当たるというイベントで、次回来店のきっかけ作りにもなる内容です。
このように、普段からスシローを利用しているリピーター、新規のお客様どちらに対してもメリットのある参加型キャンペーンを行うことで、幅広い層の集客につなげられます。
事例②セブンイレブン
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コンビニチェーンのセブンイレブンでは、クオリティの高い写真をほぼ毎日投稿することで集客率アップに成功しています。
ただ商品の写真を投稿するだけではなく、商品の雰囲気や季節に合わせたイメージを組み合わせた背景や画像の編集を行うことで、「今日のおやつに食べてみよう」と新商品を知るきっかけになり、結果的に店舗への集客へつながります。
このように、女性に人気がありそうなスイーツなら、女性好みの色合いを写真に取り入れることでパっと明るい印象になるなど、設定したターゲット層にぴったりの写真や動画を投稿することが大切なポイントです。
事例③MOUSSY
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ファッションブランドのMOUSSYでは、写真で伝えるインスタグラムの特徴と、ビジネス用アカウントで活用できるショッピング機能を取り入れることでECサイトへの集客率アップに成功しています。
インスタグラムでは、写真に商品情報をタグ付けすることができ、タップしてもらうことでそのままECサイトの商品ページに誘導することができます。
このように、スタイリッシュな写真で購買意欲を刺激し、商品がほしい、商品の詳しい情報を知りたいとユーザーが思ったときに、すぐにインスタグラムから購入までのアクションを起こしやすい仕組みをつくることが集客率アップにつながります。
事例④フェリシモ
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雑貨やファッションアイテムを扱うフェリシモは、適切なハッシュタグを活用することでECサイトへの集客率アップに成功しています。
この投稿のハッシュタグには、「#ネイル」や「#ネイルアート」といった多くのユーザーが検索しているワードが含まれているため、フォロワーではないユーザーにもハッシュタグ検索をきっかけに情報を届けられます。
また、多くのユーザーが検索しているワードだけを設定しても、他の投稿に埋もれてしまう可能性があるため、「#絵画ネイル」などのピンポイントで具体的なワードを設定することで、よりターゲット層をしぼったマーケティングを行うことができます。
このように、アカウントの存在を知ってもらうための適切なハッシュタグ設定と商品タグをつかった購入までのプロセス作りを併用することで、集客率アップに貢献できます。
事例⑤焼肉ホルモン 山水縁
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こちらの「焼肉ホルモン 山水縁」という焼肉店では、ビジネスプロフィールの機能をうまく活用して、店舗への集客に成功しています。
食欲をそそるような写真を見たユーザーがお店に興味をもったとき、アカウントのトップページに「席を予約する」や「電話する」というボタンが設置されていることで、わざわざ検索エンジンから予約サイトなどを開かなくても、インスタグラムから直接アクションを起こすことができます。
口コミサイトなどから飲食店の予約をするケースも多いので、このようにインスタグラムから直接予約をすることができれば、目的のお店を探しているはずが他のお店に興味をもってしまい集客につながらないというリスクも減らすことができます。
インスタグラムで集客する方法
ここまで、集客率アップを実現させている企業の成功事例を紹介しました。
インスタグラムで集客につながるマーケティングを行うためには、企業が一方的に宣伝をしているだけでは成功せず、ユーザーにファンになってもらい、サービスや商品に対して納得して選んでもらうことが大切です。
ここからは、集客につながるインスタグラムの運用方法について以下の7つのコツにわけて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- ビジネスプロフィールにする
- 質の高い写真を毎日投稿する
- 適切なハッシュタグをつける
- お客様にアカウントをフォローしてもらう
- お客様に投稿してもらうキャンペーンを実施する
- 広告を出す
- インフルエンサーに投稿してもらう
インスタ集客方法①ビジネスプロフィールにする
インスタグラムには個人アカウントとビジネス用のプロアカウントの2種類があり、プロアカウントにすると、ユーザーからアクションを起こしやすいプロフィールを利用できます。
たとえば、個人アカウントと共通の項目にくわえて、連絡先や住所を登録できますし、アカウントページから電話をかけたり問合せをしたり、予約をとるなどのボタンを追加することができます。
ビジネスプロフィールを活用することで、ユーザーが「このお店行ってみたい」と感じたときに、即座に問合せや予約といった行動を起こしやすく、結果的に集客率アップにつながります。
インスタ集客方法②質の高い写真を毎日投稿する
インスタグラムマーケティングを続けるうえで苦労する方が多いのが、質の高い写真を定期的に投稿し続けることだといわれています。
インスタグラムで運用をはじめたからといって、すぐに集客の効果が出るわけではないので、地道にコツコツと投稿を続けて、認知度をあげたり魅力を知ってもらう必要があります。
写真コンテンツがメインのインスタグラムでは、写真のビジュアル次第で消費者行動に大きな影響を与えるため、質の高い写真を毎日投稿することで、ユーザーの目に留まるチャンスも増えますし、商品やサービスに対して良いイメージをもってもらえます。
また、インスタグラムではお気に入りの投稿をユーザー同士で簡単にシェアしあえるため、情報を拡散してもらいやすい内容の投稿をアップすることで、ブランディングを高めて集客につなげることを目的とする企業には大きなメリットがあります。
インスタ集客方法③適切なハッシュタグをつける
インスタグラムはTwitterに比べてオープンなSNSではなく、どちらかというと自分のお気に入り空間をつくるようなイメージのSNS構造になっているため、投稿した内容を見ることができるユーザーは基本的にフォロワーだけです。
フォロワー以外のユーザーに投稿を見てもらう方法は、多くのユーザーが検索する際に使うハッシュタグを投稿時のコメントに入れておくことで、フォロワー以外のユーザーにも情報を届けられます。
ハッシュタグ選定で注意するべきなのは、投稿数の多いハッシュタグを選ぶのではなく、検索キーワードに使われそうなハッシュタグを選ぶという点です。
投稿数の多いハッシュタグだけを入れておいても、他の投稿に埋もれてしまい、思ったよりも閲覧数が伸びなかったという結果になってしまう可能性もあります。
よく使うハッシュタグにくわえて、「#六本木ブックカフェ」のように地名を入れるなど、具体的なハッシュタグも活用してみましょう。
インスタ集客方法④お客様にアカウントをフォローしてもらう
先ほども紹介したように、インスタグラムでは投稿した内容を見ることができるユーザーは基本的にフォロワーだけなので、フォロワーを増やすことで、より多くのユーザーに自社の投稿を見てもらうことができます。
フォロワーが増えれば、そのぶんフォロワーではないユーザーに情報を共有してくれる可能性も増えるため、新たなフォロワーが増えたり、投稿に対して深く興味関心をもってくれたユーザーが実店舗やECサイトを利用してくれます。
フォローしてもらうには、アカウントの存在を認識してもらい、かつ有益な情報が得られるアカウントだと思ってもらえるような工夫を心掛けましょう。
インスタ集客方法⑤お客様に投稿してもらうキャンペーンを実施する
インスタグラムマーケティングを行う多くの企業が、ユーザー参加型のキャンペーンを実施することで、集客率アップを実現しています。
たとえば、ユーザーに指定のハッシュタグを使った投稿をしてもらうことを応募条件として、来店時に使えるクーポンやプレゼントをするというキャンペーンが人気です。
集客率につながるキャンペーンを目的とする場合、店舗やECサイトにアクセスするきっかけ作りになるような内容で、かつユーザーを巻き込んだキャンペーン企画を考えてみましょう。
インスタ集客方法⑥広告を出す
インスタグラムのビジネス用プロアカウントでは、投稿とは別に広告を出稿することもでき、写真や動画、複数枚の写真などを使ったさまざまなスタイルの広告運用を行うことができます。
SNSでマーケティングを行ううえで、「いかにも広告っぽい投稿」というのはユーザーからマイナスなイメージをもたれやすいのですが、インスタグラムの広告は、ユーザーの他のフォロワーの投稿と投稿の間に挿入され、自然な流れで見てもらうことで、抵抗感なく受け入れてもらえます。
また、自社の広告内容に興味がありそうなターゲットに絞って広告を振りわけてくれる仕組みがあったり、目的に合わせたバリエーション豊富な料金プランがあるなど、無駄のない広告運用を希望している企業に注目されています。
インスタ集客方法⑦インフルエンサーに投稿してもらう
インフルエンサーとは、SNS上で数万人以上のたくさんのフォロワーがいて、口コミを発信することによってフォロワーの購買意思を大きく左右する人のことで、インスタグラムだとインスタグラマーと呼ばれています。
ユーザーが来店をしたり商品を購入するときに参考にするのが同じ消費者目線の口コミで、口コミの発信をファンの多いインフルエンサーに依頼することで、より企業に対する信頼度があがります。
最近は1人のインフルエンサーと長期契約する企業が多く、複数回にわけてPRをしてもらうことで、より内容の濃い情報を届けてもらうことができます。
集客率アップのために効率よくマーケティングを進めたい企業は、インフルエンサーの活用も検討してみましょう。
まとめ
ここまで、インスタグラムマーケティングが集客率アップに最適な理由や運用方法のポイント、企業の成功事例を紹介してきました。
集客率といっても、どのような性別や年齢層に訴求したいのか、どのような運用をすれば設定したターゲット層に訴求できるのか明確な運用体制を決めておく必要があります。
インスタグラムマーケティングを本格的にはじめる前に、ターゲット層のイメージや投稿内容の方向性、投稿する時間帯などこまかい運用方法を話し合って決めておきましょう。