インスタグラムは写真や動画コンテンツがメインのSNSです。まるで雑誌や写真集を見ているかのような感覚で情報収集することができるため、日常的な検索ツールとして人気のSNSです。
多くの企業が公式インスタグラムアカウントを作り、さまざまな情報を発信する場としても活用していますすが、自社で公式アカウントを作成するにはどのようなことに気を付けたらいいのでしょうか。
この記事では、弊社がフォロワー数28万人と11万人以上を獲得した経験を元に、企業がインスタグラムを始めるうえで気になる、アカウントの開設方法からフォロワーを伸ばすポイントなどを、インスタグラム運用が上手な企業の活用事例もふまえて紹介していきます。
弊社「OTONARI」が運営する企業アカウント
「会社でインスタグラム運用を任されたけど、何からはじめたらいいかわからない」「インスタグラムでマーケティングを成功させる方法を知りたい」という企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
インスタグラムの企業アカウント開設方法
インスタグラムには個人用のアカウントとビジネス用のプロアカウントの2種類があり、どちらを使うかでユーザーからの見え方も変わってきます。
ここからは、実際にインスタグラムで企業アカウントを開設する方法について、詳しく解説していきます。
アカウントを登録する
アカウントを作成するには、以下の6つ手順が必要です。
- アカウント登録画面で電話番号orメールアドレスの情報を入力…
電話番号、メールアドレス、Facebookアカウントと連動させる3パターンのいずれかを選択して入力するのですが、企業アカウントの場合は電話番号かメールアドレスを入力しましょう。 - 認証コードを入力…
アカウント登録画面で入力した電話番号もしくはメールアドレスに届く認証コードを入力します。 - 名前とパスワードを入力…
名前はアカウントのトップページに表示されるので、企業名やブランド名などをわかりやすく入力しましょう。 - 誕生日を入力…
13歳未満のサービス利用を制限するために、誕生日の入力が求められます。
誕生日は非公開情報なので、アカウントを開設している担当者の方の生年月日を入力しましょう。 - ユーザーネームを入力…
ユーザーネームはアカウントのURLとしても使われますし、ユーザーにフォローを促す際に、「@ユーザーネーム」という形で表示することもありますので、誰が見てもわかるようなものを登録しましょう。 - プロフィール画像を登録…
後回しにすることもできますが、企業の特徴をイメージしやすい画像を登録しましょう。
以上の6つの手順でアカウントの開設は終了です。
手順はとても簡単なのですが、スムーズに開設するためにも、登録する内容は事前に話し合って決めておくことをおすすめします。
プロアカウントに切り替える
インスタグラムは、アカウントを開設すると自動的に「個人アカウント」になるのですが、ビジネスとしてSNSマーケティングを目的としている場合は「プロアカウント」に切り替えましょう。
プロアカウントに切り替えることで、投稿の表示回数などを分析する機能を活用することができたり、ユーザーからアクションを起こしやすいプロフィールの登録ができるなど、多くのメリットがあります。
プロアカウントへの切り替え方法は以下のたった3つの手順で変更できます。
- プロフィール写真の下にある「プロフィールを編集」から、「プロアカウントに切り替える」を選択
- カテゴリを選択…自社の業種やサービスに合うカテゴリを検索して設定しますが、プロフィールとして公開表示するかどうかは選択ができます。
- 連絡先情報を入力…企業のメールアドレス、電話番号、住所はユーザーに公開表示する状態になりますが、非公開にしたい場合は、下にある「連絡先情報を使用しない」を選択しましょう。
以上の3つの手順でプロアカウントへの切り替えは終了です。
認証バッジとは
インスタグラムでは、公式アカウントであることを証明するための認証バッジを取得することができ、フォロー率がアップしたり、なりすまし対策も期待できます。
芸能人のアカウントなどでよく見かける、アカウント名の右側についている青いチェックマークが認証バッジです。
出典:弊社が運営する自社アカウント「節約ライフ」
認証バッジがついているアカウントは、インスタグラムが間違いなく公式なアカウントだと認定したということになり、ユーザーからの信用性が高くなります。
認証バッジを取得するための申請方法は以下の5つの手順です。
- プロフィールページ右上のハンバーガーアイコンから、「設定」を選択
- 「アカウント」を選択
- 「認証リクエスト」を選択
- 名前やカテゴリなどの必要事項を入力
- 本人確認書類をアップロードして送信
以上で認証バッジの取得申請は完了で、インスタグラム側で審査をした後に、結果が通知されます。
企業の本人確認書類は、納税申告書や最近の公共料金請求書、会社定款などの正式な事業所書類が必要なので、事前に準備をしておきましょう。
企業アカウントにするメリット
ここまで、インスタグラムで企業アカウントを開設する方法を紹介していきましたが、そもそも企業アカウントとしてプロアカウントに切り替えたり、認証バッジを取得すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは企業アカウントにする3つのメリットを解説していきます。
「自社でインスタグラムをはじめたいけど、個人アカウントにするかプロアカウントにするか迷っている」という企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
メリット①ビジネスプロフィールにできる
企業アカウントは、個人アカウントと共通の項目とは別に、住所や連絡先などビジネス用のプロフィールを登録することができ、ユーザーは企業のホームページをわざわざ見なくても、企業のことを詳しく知ることができます。
またビジネスプロフィールでは、ユーザー側から企業に対してアクションを起こしやすくなる4種類のボタンを設置することができます。
- 電話をかける
- メールを送る
- 地図を見る
- 予約する
以上のようなボタンをプロフィールに設置することで、インスタグラム上から気軽に問い合わせをしたり、店舗の場所を調べたり、飲食店や美容サロンであれば直接予約をすることもできるようになります。
このように、ビジネスプロフィールを活用することでユーザーと企業の距離感が近くなり、ファン獲得につながります。
メリット②データが分析できる
プロアカウントに切り替えるとインサイト機能を活用して、投稿に対するパフォーマンス解析が無料でできるようになります。
インサイト機能では、以下のような分析結果を表示してくれます。
- すべての投稿の表示回数
- ユーザーの属性(地域・年齢層・性別・アクティブな時間・曜日)
- 1つの投稿に対するユニークアカウント別の表示回数
- プロフィール閲覧回数
- エンゲージメント数(投稿へのいいね数・コメント数・保存回数・フォロー数)
- ボタンのタップ数(地図や連絡先など)
このような指標をもとにこまかい分析をすることによって、次の投稿やプロモーションに活かすことができ、インスタグラムマーケティングの効果を最大限に引き出すことができます。
また、フォロワーが100人以上になると、フォロワーの性別や年齢層、アクセス時間などのフォロワーに対する細かい分析も可能になります。
これらを分析することでターゲット層を把握したり、どの時間帯に投稿することで閲覧数が伸びるかというフォロワーや表示回数を増やすためのマーケティングには欠かせないデータを見ることができます。
メリット③広告が出せる
プロアカウントで投稿すると、投稿したページに「広告を作成」というボタンが表示されます。ボタンをクリックすると投稿を広告として出すことができるようになります。
広告はユーザーのタイムライン内で、他の投稿の間に挿入されて配信されるので、広告と気づかずに思わず見てしまうという自然な流れを作ることができます。
また、あなたの投稿に興味がありそうなターゲットに絞って、インスタグラム側が広告を配信してくれるため、無駄がありません。
インサイト機能を使ってエンゲージメント数の高い過去の投稿を再度広告として配信することもできます。
インスタグラム広告は、フォロワー以外のユーザーにも企業の存在をアピールすることにつながる広告運用として、SNSマーケティングを行う企業から注目されています。
人気の企業アカウントの成功実例
企業アカウントを作成するメリットを紹介していきましたが、実際に他社のアカウントではインスタグラムをどのように活用しているのでしょうか。
ここからは、人気の企業アカウントのインスタグラム活用事例を紹介していきます。
どのような使い方が自社のマーケティングに合っているのか、ぜひ参考にしてみてください。
企業アカウント事例①北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は生活雑貨やファッションアイテムの通販サイトで、インスタグラムの公式アカウントでは新商品や季節に合わせたアイテムを紹介しています。
インスタグラムは写真や動画コンテンツがメインのプラットフォームで、スタイリッシュな写真やまるで雑誌を読んでいるかのようなクオリティの投稿が人気があります。
このように、ユーザーが真似をしたくなるような写真を使っていること、「この商品いいな」と思ったら写真についている商品タグから購入サイトへ遷移できる手軽さで、SNSマーケティングを成功させている事例のひとつです。
企業アカウント事例②Tasty Japan
「Tasty Japan」は世界中のユーザーから人気のあるレシピ動画を紹介しているアカウントです。簡単には真似できそうにない料理を1分程度の短い時間で作り方を教えてくれることで好評です。
このように、視覚的に食欲をそそるような動画であったり、ユーザーにとって有益な情報をわかりやすく発信することが、インスタグラムでのマーケティングには重要なポイントで、動画をうまく活用した成功事例のひとつです。
また、「作ったら#tastyjapanをつけて投稿してくださいね!」と書いてあるように、レシピを作ったユーザーにハッシュタグをつけて投稿してもらうことで、Tasty Japanの存在がさらに多くのユーザーに広まり、結果的にブランディング効果が期待できます。
企業アカウント事例③サントリー
飲料メーカーのサントリーの公式アカウントでは、自社製品を使ったレシピや自社ドリンクに合う料理やスイーツなどを紹介しています。
サントリーのアカウントでも、やはり食欲をそそるような写真やパーティで、真似したくなるような写真を投稿することでユーザーの支持を集めています。
普段何気なく手にとっている商品の新しい楽しみ方を提供することで、結果的に消費者の購買意思を刺激することに成功しています。
また、注目したいのがハッシュタグの使い方で、インスタグラムは基本的にフォロワーにしか投稿が表示されない仕組みなので、「#手づくりおやつ」や「#簡単おやつ」などユーザーがよく検索しているハッシュタグをつけることで、フォロワー以外のユーザーにも情報が届くように工夫されています。
企業アカウント事例④ローソン
ローソンでは、毎週抽選で1名にQUOカード1万円分をプレゼントする「フォロー&いいね!キャンペーン」を開催しています。
1名限定だとなかなか当たらないですが、毎週同じキャンペーンを行っていることと、フォロー&いいねの簡単ステップの応募条件が手軽で参加しやすいため、多くのユーザーに好評です。
また、キャンペーンの投稿では、必ず新商品やおすすめの商品を写真とともに紹介していて、普段コンビニへ足を運んだだけでは気づきにくい新商品の情報をナチュラルに知ってもらうことができる仕組みを作っています。
このように、企業側が一方的にキャンペーンや商品のプロモーションをするだけではなく、ユーザーに楽しんでもらう参加型キャンペーンと一緒に商品を紹介することで、消費者を飽きさせず、ファンの獲得につながっています。
企業アカウント事例⑤ALBUM
日本で1番予約される美容室と名乗るALBUM(アルバム)は、所属している美容師さんが各自のアカウントで発信した投稿を紹介していて、流行のヘアスタイルから簡単にできるヘアアレンジ、メイク動画などおしゃれに関するさまざまなことを投稿しています。
「#ヘアスタイル」や「#ヘアアレンジ」などよく検索されるワードをハッシュタグとして入れること、多くの従業員が個人アカウントで投稿していることで、ハッシュタグ検索をしたときにALBUM関連の投稿が目に留まる工夫がされています。
このように、スタッフに個人アカウントをひらいてもらうことで美容師さん自体にファンがつきますし、定期的に投稿を続けることでユーザーを飽きさせないため、結果的に集客に結びついている成功事例です。
企業アカウントでフォロワーを伸ばす方法
ここまで人気企業のインスタグラム成功事例を紹介していきました。
企業アカウントを作ってマーケティングを行うなら、成功のコツを知っておくことはフォロワーを増やす近道になります。
ここからは、インスタグラムマーケティングで戦略的にフォロワーを増やす方法を解説していきます。
これからインスタグラムを始める方や、すでにインスタグラムを始めているけどフォロワーが増えないと悩んでいる企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
定期的に投稿する
インスタグラムマーケティングを続けるうえで苦労する担当者の方が多い部分なのですが、例えば1日1回投稿するなど、定期的に情報を発信することで、ユーザーの目に留まるタイミングが増えるため、結果的に企業のブランディングにつながります。
定期的に情報を発信するには、インスタグラムでマーケティングを行う目的を決めておくことが大切で、フォロワーを増やしたい、集客を増やしたい、企業の認知度を高めたいなど、具体的な目的を話し合って決めておきましょう。
目的が決まれば、その目的を達成するためにどのような内容を発信したらいいのかを考えていきましょう。
キャンペーンを実施する
インスタグラムマーケティングのメリットの1つに「ユーザーとコミュニケーションがとれる」ことがあります。キャンペーンを実施することで、より企業とユーザーの距離感が近くなり、フォロワーの獲得につながります。
例えば、成功事例でも紹介したような参加型のキャンペーンがおすすめで、フォロー&いいねキャンペーンや、指定したハッシュタグで投稿してもらうハッシュタグキャンペーンなどユーザーが気軽に簡単に参加できるような企画を考えてみましょう。
商品やサービスのプロモーションばかりのアカウントよりも、ユーザーを巻き込んで一緒に楽しめるイベントがあったほうが、そのアカウントをフォローするメリットを感じてもらえます。
広告を出稿する
プロアカウントを開設すると、広告として投稿を出稿することができるようになりますので、ユーザーの反応が良かった投稿を分析して、広告を出稿してみましょう。
インスタグラムの広告は興味がありそうなターゲット層を分析して広告を割り振ってくれるので、無駄のないプロモーションができます。
広告を出稿することによって、フォロワーではないユーザーにも企業の存在をアピールできるため、認知度があがったりフォロワーが増えるなど嬉しい効果が期待できます。
適切なハッシュタグを設定する
インスタグラムの投稿は、基本的にフォロワーにしか届きませんが、ハッシュタグ検索をすることでフォローしていないアカウントの投稿も見ることができます。
ハッシュタグをうまく活用するには、自社に関係があるワードで、よくハッシュタグとして使われているワードは何なのかを分析することから始めましょう。
ユーザーが喜ぶキャンペーンを開催したり、有益な情報を発信する前に、まずはアカウントの存在を知ってもらうことが大切なので、適切なハッシュタグを入れて投稿することを意識しながら内容を考えてみてください。
フォロワーとコミュニケーションをする
インスタグラムでは、コメントなどを通じてフォロワーとコミュニケーションをとることができます。
人気企業でも、フォロワーが自社製品を使った口コミを発信していたら、その投稿を企業アカウントで紹介してみたり、コメントから質問をくれたフォロワーに対して丁寧に回答をするなど、コミュニケーションをとることを大切にしています。
ユーザー側からみると企業は少し遠い存在です。まずは自社の製品に対してポジティブなアクションを起こしてくれたユーザーを大切にしましょう。
そうすることで、まだ企業に対してあまり興味をもっていないユーザーにも注目されやすくなり、フォロワーの増加につながります。
まとめ
この記事では、インスタグラムでアカウントを開設する方法やビジネスアカウントにするメリット、人気企業の成功事例からフォロワーを伸ばす方法を紹介しました。
定期的に情報を発信したり、ユーザーに楽しんでもらうキャンペーンを考えるのは簡単なことではありませんが、インスタグラムマーケティングを行う目的をしっかりと認識することで、どのような情報を発信することが近道なのかが見えてきます。
また、フォロワーが増えるなどマーケティングの効果はすぐには現れず、地道に継続していくことでアカウントの価値が高まりますので、他社の成功事例やこの記事で紹介したポイントなどを参考に、ユーザーに喜ばれる運用方法を考えてみてください。